コラム

【防災訓練】「心理的安全性」向上で災害に強い日本の未来をきり拓く

【防災訓練】「心理的安全性」向上で災害に強い日本の未来をきり拓く

みなさん、こんにちは。堀です。

前回の防災訓練コラムでは、「関東大震災から100年!〜これを契機に大災害に備える準備をしましょう〜」というテーマでお話しました。

 

今回は私説ではありますが最近よく耳にする「心理的安全性」についてお話します。

 

組織活性化に繋がる「心理的安全性」とは

「心理的安全性」とは、よく企業・組織・チーム活動成果の最大化を図るマネジメントとして用いられている心理学用語です。

1999年に組織行動学を研究するエドモンドソンが提唱した心理学用語で、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことをいいます。端的にいうと、「社員間の摩擦によるストレスが少なく、何の不安もなく安心して働ける、自分を高めてくれる、居心地が良い、とてもやりがいがある、成長できている、不安要素が少ない」という「安心(満たされている状態)」がキーワードです。

すなわち、働く(活動する)環境に不安要素があると「個(組織)」の力を最大限発揮できないということ。(生温い環境を意味するものではありません)個人的には混迷の時代を豊かに生き抜く思考が芽生え、互いに協調しあって課題解決へ導いてくれる興味深い用語だと感じます。

 

近年全世界で多発する「災害」

たとえば昨今、未来に向け国民皆さんが感じる身近な「不安」とは何か・・・ 生活コスト高、年金、低賃金、定年、国家政策、少子高齢化、治安、病、老後、子育て、そして災害・・・きりがありません。

今後、自分や家族が豊かに暮らせる土壌がある日本国になれるのか・・・不安ばかりが過ります。ネガティブな表現ですが、昨今明るい話題が少なく、皆、未来に向けた新しい思考が芽生えにくい状態ではないでしょうか。

特に近年全世界において頻繁に発生する災害は自身の生命にリアルに直結すること、自身が生活する地域が崩壊することとして国民の大きな不安要素であることは間違いないでしょう。(特に今年は5月から台風被害が発生するなど何か嫌な予兆を感じます・・・)

 

不安要素の解決の矢をどこに当てるのか

それらの不安要素を解消するには、自力本願で解消できること(自分の力で満たすこと)と他力本願で解消してもらうこと(他人の力で満たされること)があるようです。要するに不安要素を解消するためにどこに解決の矢をあてるかですね。

たとえば、大災害に対してそれ相応の準備をし、身を守る知識を学んでいる方は、個人差はありますが災害に対する心理的安全性はそれなりに高いのではないでしょうか・・・。 重要なのは災害が起こった時、身近に相談できる人がいることだと思います。また、マスコミは災害予告や被害状況こそ多く伝えますが、「こういう準備をしていたから災害による命の危機を免れた」という自主防衛(備え)の成功事例も、もっと発信すると良いと思います。 そうすると自分の命に直結することとして国民一人ひとりが捉えてくれ、災害への関心と備えが増々芽生え、災害に対する心理的安全性はさらに高くなり、更には国民の防災力向上にも繋がると思います。

 

各防災関係機関で取り組まれる不安要素の解消

最近、国、行政、自治体の各防災関係機関でも、救助チーム活動成果の最大化を図る為、実際に救助活動にあたる組織・職員に向けた「心理的安全性」向上に取り組む動きがある事を、とある専門誌で拝見しました。

今までは、”命を預かると”いう仕事柄、階級や規律・ルール・資格等で、立場や状況を明確にした雁字搦めの縦社会的な組織に見られることが多かったと思いますので、この取り組みはとても素晴らしいことだと思います。救助隊員皆さんのモチベーションや使命感も更に向上すると思います。

冒頭触れたように、自分が身を置く環境に不安要素があると、人は「個(組織)」の力を最大限に発揮できなく、時には間違った判断をしかねないということですから、自力・他力問わず常々不安要素は解消する努力をして、常にフラットな精神状態で多くのことをインプットできる状態に置き、周囲との良好な関係の中で正しい判断と行動を素早くとれる自己防衛管理が大切なのでしょうね。不安要素は相談する相手がいると半分以上は解消できるはずです。

 

最後に

昨今、何にしても国民の「心理的安全性」は低く、それは「日本の治安」や「青少年の健全育成」の悪影響にも繋がっているのかもしれません。助ける人も助けられる人も災害に対する「心理的安全性」を互いに高め合い、「個(組織)」の力を最大限発揮し備えのレベルをより高めることが求められます。

そして、全国民の「心理的安全性」がとても高い国・日本!・・・そんな時代が来ると、豊かで安全な日本の未来に希望の光が差し込むと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

堀 裕

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