コラム

イベントディレクターという仕事内容(ステージ演出・進行)

イベントディレクターという仕事内容(ステージ演出・進行)

みなさん、こんにちは。プランニング部 込堂です。

イベントに関わって三十数年…舞台公演の制作や、TV番組の制作などさまざまな経験を経て

イベントの進行・運営・バックアップなどイベントに関わる皆さんのサポートができるよう全力を尽くしています。

今回は、イベントディレクターの「ステージの演出・進行管理」についてご紹介したいと思います。

初めてコラムを担当するので、読み辛い点があるかもしれませんがお許しください。

 

そもそもイベントディレクターとは?

イベントディレクターとは、イベントの事前準備から本番・終了まで、イベントを円滑にまわす人のことをいいます。様々な業務に関わる為、豊富な知識と経験と対応力が必要になります。

 

ステージ演出・進行とは?

ステージ演出・進行とは、イベントステージの構成・台本制作から音響・照明の機材設定や演出、出演者やスタッフへの指示・管理などのことをいいます。

一口に「ステージ演出・進行」と言っても多種多様なパターンがあります。

例えば…

・出来上がっている台本などをもとに時間通りに終わらせるための進行

・台本制作から関わるステージの進行

・有名人、著名人などの演出があるステージの進行

・歌のステージ、お笑いタレントのステージの運営

などなど…です。

芸術舞台の場合は、「舞台監督」「舞台演出」「照明演出」「音響演出」「映像演出」など大まかな役割が分かれていますが、イベントの場合はステージに関わる全ての業務をイベントディレクターが行うことが多いです。

また、会場のフロアで行われるイベントがある場合は、フロアとステージの両方を同時に始めてしまうと参加しているお客様を取り合ってしまうので、ステージだけではなく「イベント会場全体」の運営管理者と連動しながら進行させる場合も多いです。

ちなみに僕のやっている仕事は、よく“ステージディレクター”と呼ばれます。

 

 

 

実際に携わった案件”某メーカー様の年度決起大会”

それでは、最近沖縄でご一緒させて頂いた、某メーカー様の年度決起大会についてご紹介したいと思います。

今回はステージ演出面も含めた業務でしたので、僕のポジションは「舞台監督」と呼ばれる内容です。

 

【イベントの事前準備について】

1)全般確認ポイント

本番前日の設営を迎える前までに、「会場内の参加者のテーブル設置」「飲食提供のタイミング・提供終わりまでの所要時間」「ステージの大きさ」「効率的な音響スピーカーの設置方法」「実施内容に合わせた効果的な照明演出」「メリハリのある映像演出」「参加者が会場に到着する時間」などなど事前に気にすることはたくさんあります。

 

2)ステージ演出・進行

ステージのすべての演出を決めていくには、クライアント様の意向がとても重要になります。

今回のイベントの流れは「新役員紹介」→「新入社員紹介」→「方針発表」→「アワード」と続き、最後に飲食が提供される「懇談会(景品総数300点弱のビンゴ大会)」と雰囲気の違う内容が盛り沢山でした。

「新役員紹介」では、落ち着きのあるジングル(ラジオ番組やCMで使用される短い音楽)を使用し、「アワード」では高揚感のあるジングル、最後に「懇談会」ではパーティーの雰囲気を盛り上げる音楽を使用し雰囲気の切り替えを演出しました。

もう一つコントロールしなくてはならないのが「転換」と呼ばれる、ステージ上の物の入れ替えです。

現在進行形のステージ上の物をどこに逃がして、次の物をどこからどこに設置するのか。

次に出すものがきちんとスタンバイされているか?事前確認はもちろん、本番進行中でも確認の連続です。

 

3)イベント設営について

今回は、予定されていた設営時間に対して設営する機材が多かったので「音響・照明・映像」のテクニカルチームと「ステージ立て込み・装飾」の施工チームで設置する順番・時間を決めて設営日を迎えました。

 

【各機材の調整】

会場内のステージ・装飾の施工、テクニカルの機材設置が終わると、テクニカル各セクションの本番に向けた調整になります。

音響は「チューニング(音質調整)」、照明は「当たり合わせとシュート(空間演出照明決め)」、映像は「フォーカス(ピントを合わせる)」と「スクリーンに投影する素材のチェック」などです。

【演出の調整】

各機材の調整が終わると、本番に向けた演出の詰め作業に入ります。

”がなり”と呼ばれるマイクを使って、全てのスタッフにタイミングを共有し、実際に本番同様に「音」「照明」「映像」のタイミングを合わせます。

このタイミング合わせが終わると、クライアント様へチェックしてもらいます。このチェックの時に要望があれば可能な限り修正をしていきます。

そして、最後は司会者も入れて「コメント」「テクニカル」のタイミングを合わせて問題がなければ、翌日の本番を迎えます。

 

 

【各チームでのチェックポイント】

1)音響チーム

会場内で使用するBGMに関して、「著作権の問題がない音楽」「沖縄の雰囲気がある音楽」との希望を頂いており、協力会社様と連携して準備しました。

今回の会場は、「音の反響」を考慮しないとイベント参加者様が「聞きづらい音」になってしまう会場でしたので念入りにチューニングしました。

 

2)照明チーム

ステージのサーチ(光の筋)をどこからどの方向に何色を多用したいかなど、クライアント様の意向を取り入れたプランに仕上げました。会場内の明かりも「入場時」「ステージ進行中(ステージ内容に合わせて)」「休憩時」など前日に決め込むのも大切な業務です。

 

3)映像チーム

今回の案件では、ステージのセンターに1枚・両サイドに各1枚づつ・会場フロア内に2枚、合計5枚のスクリーンを設置しました。

5枚とも全て同じ映像を写してしまうとメリハリがなくなるので、映像の送出系統を増やしてステージの「センター」と「サイド」で別々の映像が映るシステムにしたり、会場内のLIVE映像を多用するためにカメラマンの配置場所を調整したり、「どのシーンの時に、どのカメラで、どこを狙う」という事を決めるカメラ割りに気を使ったりと、会場内の皆さんが驚いたり、楽しんだりしてもらえるように工夫しました。

 

4)特殊効果チーム(人工的な特殊演出:花火・スモーク・紙吹雪など…)

今回は、特殊効果の実施はありませんでしたが、もし「特殊効果」があった場合は安全管理に十分注意する必要があります。

何度もリハーサルを重ねて、出演者の立ち位置を調整・確認しますが、本番時にスイッチを入れる時にもステージ上の様子を一瞬で確認します。

 

 

最後に

このように、舞台監督/ステージディレクターの仕事はものすごく多岐に渡った知識が必要とされる仕事です。簡単な仕事ではありませんが、自分の培ってきた知識を使って、ご相談頂いたクライアント様が十二分に満足できるご提案をすることで、”一緒になって本番のステージを無事に終えられること”に喜びと楽しさを感じることができる仕事でもあります。

この記事を書いた人

込堂 孝志

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