【防災訓練】関東大震災から100年!〜これを契機に大震災に備える準備をしましょう〜
関東大震災から100年。
2023年の今年、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災(相模湾北西部を震源とするマグニチュード7.9)から100年を迎えました。死者行方不明者は国内災害歴史上最大の約10万5千人とも言われます。戦前の100年前ですからその当時は防災に備えるというよりは「国民一人ひとり毎日を生きていくのが精一杯」という厳しい時代だったと思います。
引用元:内閣府 防災情報のページ「関東大震災100年」特設ページ
https://www.bousai.go.jp/kantou100/index.html
この数値を見るだけでもゾッとしてしまいますが、現代は100歳を超えるご長寿の方も沢山いますから当時の様子をお聞きしてみたいものです。想像ですが、その時代を生き抜かれた方々は、震災もさることながらやはり戦争時代のインパクトの方が強いかもしれませんね。個人的にはどちらも詳しくお聞きしてみたいなぁ〜と思う今日この頃です。
「首都直下地震」「南海トラフ地震」「日本海溝・千鳥海溝周辺海溝型地震」
さて、関東大震災から100年という節目の年を安易に見送るのではなく、今後危惧される「首都直下地震や南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震等」に国民一人ひとりが本気で向き合い真剣に「命と財産を守る準備」をする契機ではないでしょうか。なぜなら、直近に報告された被害想定を知れば誰もがご自身の生命に関わることとして捉えて頂けるはずです。
関東圏を襲う首都直下地震は、建物倒壊等が78万5千棟、死者3万4千人、東海・近畿・四国・九州を襲う南海トラフ地震は、全壊焼失が950万棟、死者105万3千人、北海道・東北を襲う日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震は、あの東日本大震災を超える被害というふうに、直近被害想定が報告されているからです。更には恐ろしいことは、日本国に影響を与える各断層プレートが干渉しあい、この3つの大震災が同時期に発生する可能性もあると言われております。一部の日本海側のエリアを除き、沿岸内陸問わず日本列島全域が被災の対象です。
もしそんなことが本当にあるとしたら日本国はもう再起不能に陥ります。
災害への備え、出来ていますか?
「大震災は必ずと言っていいほどやってくる」と言われるように、”大災害は他人事”のような感覚で暮らす国民が大勢いる国がもしあるとすれば、この先その国は世界各国から注目もされないし、成長もしない、人口も年々減り、いざ大災害が起こると間違いなく再起不能となり滅びてしまうでしょう。
一方、防災の諸準備が年々進み、国民の防災意識が高く、実際に大災害が起きても被害を最小限に食い止められる国は、世界から注目され、成長し続け、安心な国・魅力的な国と評価されるのではないでしょうか。世界をリードし国民が安心して生活できる魅力ある国づくりの一番の施策は「防災力向上」がメインテーマなのかもしれません。
大災害情報や様々な被害想定の情報が日常茶飯事に入ってくる、このDX時代に生きていながらも、未だに自分達が住む街の避難所すら知らないで生活している人も多数いるのが今の日本の現状です。 皆さんはいかがでしょうか・・・。
昔から「人は痛い思いをしなければ何もわからない・・・変われない」と言われ続けてきましたがその通りなのかもしれません。しかし、大災害はご自身の生命に直結する出来事ですから、いざ起こってしまうと変わろうにも変われない・・という状況におかれる可能性もあります。
ご家族のいる方は次世代を担う子供達に、大災害の恐ろしさを伝え備える生活習慣をおくることが大切で、同居していない近親者(特に高齢者や傷病者)にもその対処をお願いしたいです。また、勤務中に大災害が発生した際の行動マニュアルや連絡安否確認体制等が構築されておらず、災害を想定した実働訓練等もほとんどの企業は実施していないのが現状ではないでしょうか?いち早く社の危機対策管理として社の防災マニュアルを作成し、年に一度は実動訓練を実施されることをお薦めします。
筆者が思う、これからの防災訓練
このコラムの締めとして、【関東大震災から100年!】 〜これを契機に大震災に備える準備をしましょう〜 と声を大にして発信したいです。
災害に備える準備には知識と経験が必要です。
それを学べるのが「防災訓練」です。
そこで、私が思う「これからの防災訓練とは・・・」のご提案です。
訓練には大きく分けて、「消防や警察や各防災機関等が実施する、国土や国民を守る訓練」と「自治体等が主催する地域住民向けの各種訓練」があります。
「消防や警察や各防災機関等が実施する、国土や国民を守る訓練」
この訓練は、その地域の各防災関係機関や企業が連携し、最先端の技術を用いて被害を最小限にくい止め、被災者の救出救護、より早いインフラ復旧、孤立地域への支援等を最速・安全・正確に実施するものです。ここで重要なのが、「その地域の各防災関係機関の連携」です。 意外にこの「連携」というのが各地において温度差があり、今後この訓練では、一番重要視すべき項目だと思います。また、この訓練は「ブラインド型(シナリオがない訓練)」が理想です。
「自治体等が主催する地域住民向けの各種訓練」
この訓練は、最近の動向として、上記であげた「消防や警察や各防災機関等が実施する、国土や国民を守る訓練」と内容が重複していて、その地域の人達に「防災機関のパフォーマンスを見せる訓練」、「シナリオ通りの訓練」が多いように感じます。それでは意味がないという訳ではないですが、今後はその地域住民自身が参加でき、防災知識やいざという時の行動を、体験をとおして学べる訓練にしていくべきです。訓練の規模は小さくて良いので、実施回数を増やし各エリア毎にくまなく実施することが求められていると思います。
そして、特に大災害が想定される地域で、上記の2つの訓練を合同で行う大規模な防災訓練を、各都道府県内で実施できれば、国民の防災力も少しずつ向上すると思います。その他、各地域住民を対象にした防災セミナーやパネルディスカッションなど、防災を学ぶカルチャーイベントを各地域で継続するのもとても効果があると思います。
本年は、【関東大震災から100年!】ということで、これを契機とし様々な防災イベントが全国各地で実施される予定です。また、政府では段階を上げて「首都直下地震や南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震等」に備えるための各種施策が施されます。今年は、「防災」というキーワードが全国的に盛り上がる年ですので、是非この機会にご自身の生命と財産を守る学びと備えをしていただくことを切に願います。
おわりに
最後に、被災状況の大小にもよりますが、大災害が発生して一番辛いことは電気・水道・ガス等のインフラが復旧するまでの時間です。
過去は復旧するまで10日間かかるなど言われてきましたが、最近では最低でも2週間・・・という説もあります。 2018年北海道胆振東部地震で北海道全域がブラックアウトとなりましたが、札幌にある私の自宅も電気が復旧するまでに9日間位かかりました。これが関東都心部で発生したらどうなっていたでしょうか・・・都心部にとって電気は一番大切なインフラですし、電気が無いと生きられない傷病者の方も多数います。
家庭に備える防災グッズや非常食は最低でも20日間程度の備蓄をお薦めするのと同時に、この機会に小型発電機をぜひご家庭に備えることをお薦めします。
最近では3万円程度から購入できます。私も今年自宅に一台備えるつもりです。
いまさらですが、先日私の子供からもし災害が起きても携帯が使えない状況だけは絶対避けたい・・・と言われハッとしてしまいました。(汗)