デザイン制作について やりにくい依頼/やりやすい依頼 とは?
みなさん、こんにちは。
デザイナーの小田です。
アンカーでは、様々なジャンルのデザインを担当しております。
依頼者(お客様)、デザイナー、制作物の全てに満足のいく状態でお仕事が完了するために、本コラムではデザイン制作にあたってやりにくい依頼、やりやすい依頼
について書かせていただきます。
やりにくい依頼
デザインを制作するにあたってやりにくい依頼は
「決まっていない要素が多すぎるもの」かつ「急ぎの依頼」です。
たとえば、
・文章や写真、素材などが揃っていない
・イメージが決まっていない(抽象的すぎる)
・規格(サイズや縦横など)が決まっていない
そしてこれに追い討ちをかけるものが、急ぎで仕上げなければならないというもの。
例えばこれを料理に例えると
・文章や写真、素材などが揃っていない≒食材が揃っていない
・イメージが決まっていない≒料理のジャンルが決まっていない
・規格(サイズや縦横など)が決まっていない≒何人くらいが食べるのか不明
だけど早く調理しなくてはならない・・・みたいな感じでしょうか。
食材もあとから追加されるうえに、料理のジャンルも決まっていないし、何人食べるのかもわからなければ、調理をスタートすることもできませんよね。
食材は揃っているけど、中華にするか、洋食にするか・・適当に!
といわれて作った後で、やっぱり和食で・・・と言われたら作り直し。
5人分くらいかと材料を切っていたけど、20人分でした!と急に言われてもできませんよね。
やりやすい依頼
逆にデザインを制作するにあたってやりやすい依頼は
「決まってる要素が多いもの」かつ「時間にゆとりがあるもの」です。
全体像がわかった上で制作ができるので、計画的に進めることができ、
より良いデザインを制作することに集中できます。
料理で言うと、材料がすべて揃っているし、ジャンルも決まっている、食べる人数も決まっているので、
すぐ調理にとりかかることができるし、この調味料追加したらもっと美味しくなりますよ!と味や見栄えに手間や工夫を加えられる・・・みたいな感じでしょうか。
とりあえずの依頼は無駄が多い!
「とりあえず」の少ない内容でデザインを作るというのは、
デザイナー的にはほぼ一から作り直しをする覚悟がいります。
「どっちみち修正になるから、このくらいまでしかデザインできないなぁ」となります。
変更や追加の依頼があるたびに、誤字や脱字などないかを確認、レイアウトやデザインを整える作業。これらを繰り返すことにより
デザインをどうこうというよりも「間違えないようにしなければ」という考えの方が先行してしまいます。
時間的な締切をむかえる頃には、最初の時点の「デザインこのくらいまででよいかな?」から進展できないまま。
これではお客様に伝わる、本当に良いデザインができるわけがありません。
最初の内容から変わる部分が多いということは、
そこまで有した集中力も時間も材料もアイディアも無駄になってしまうのです。
依頼者とデザイナー。お互いの協力のもとに良いデザインが生まれる
私の考える良いデザインは
① 正しい情報を伝えているか。
② どんなターゲット向けなのか。
③ どういう目的なのか。
をきちんと考慮しているものが基本だと思います。
ここがクリアできてこそ、かっこいい、より良いデザインに進化できるものです。
①の「正しい情報を伝えているか」は文章や写真、素材の情報のこと。
②と③は少し被ってしまうところもありますが、
どういう年代の人を対象にしているのか、どういう場所で使用するものか、どういう目的で使用されるのかなど。
とくにデザインする上で②と③を知っておくことは依頼者とデザイナーのイメージの共有の第一歩になります。
イメージが依頼者とデザイナーで具体的に共有できていればいるほど、良いデザインに近づくのではないでしょうか。
せっかく世に出すデザインなので、誰かの役に立ち、少し彩りを添えられるようなモノになるといいなと思っています。