【防災訓練】知識・認識の訓練で学ぶべき内容は?
皆さんこんにちは。堀です。
前回の防災訓練コラムでは、「災害に対する正しい知識や認識を学ぼう!」のお話をさせていただきました。
▼前回の記事(防災訓練コラムvol.3)はこちら
今回は、その「知識・認識の訓練で学ぶべき内容は?」 についてお話ししたいと思います。
※あくまでも堀の私見になりますのでご了承ください。
まず、vol.3の繰返しとなりますが、「普通の勉強も大切だけど、命を守る勉強はもっと大切!」を前説として強調しておきます。
■防災の知識・認識の訓練ではまず、何を学ぶべきか?
知識・認識の訓練で学ぶべき内容。これは言うまでもなく、「〜もし災害が身近で発生し命の危険を感じたら直ぐに自分や周囲の命を守る正しい行動をとりましょう〜」という自主防災についてです。
先人たちの努力とは裏腹に、【悲しくも数多くの人命と財産を失ってきた大災害の歴史からの学びがあるからこそ今自分達が安全に生活できている。】という感謝の気持ちを持ち、命の尊さを学ぶことから始まり、自分達は災害大国日本で生きているという現実を深く理解してもらうプログラムが必要だと思っています。
つまり、少し厳しい表現かもしれませんが、「災害の恐怖感と危機意識を植え付けるプログラム」です。対象者は誰か・・・ですが、義務教育の一環として実施するのであれば幼少期の子供達、しかし、よく考えてみると「日本に住んでいる方全員」と言ってもよいのではないでしょうか。
■「防災力の向上」=「自分のこと」という危機意識
3.11東日本大震災では過去見たことのない衝撃的な映像がテレビ等で流れ国民の心に恐怖を刻み込みました。また、その映像が流れる前には、「これから流れる放送は視聴者皆様の気分を害する可能性があります」とテロップが流れる程の衝撃がありました。しかし、実際の被災現場は、我々の想定を超える、映像では見せることができないほど悲惨な状況であったことは皆さん、心の何処かで察していたと思います。
つまり、災害大国日本で誰よりも災害の恐怖感と危機意識を持っているのは、実際に被災された地域の皆様だけだという現実です。具体的な数値はわかりませんが、それは人口全体の極めて少数で、被災経験のない方は今でも危機意識はあまりない、というのが現実ではないでしょうか。
このような状況ではいつまで経っても「防災力向上」は難しく、いざ大災害が起きたら多くの命を失い、更には二次・三次災害をも発生させてしまうことにも繋がるでしょう。ですから、一人ひとりが災害の恐怖と危機意識を具体的に学ぶプログラムが必要だと思うのです。
私もそうですが、人間は(個人差はありますが)苦しいことも悲しいこともある程度の時間がたつと忘れてしまう生き物です。「災害の傷跡を風化させてはならない」「次世代に伝えていかなければいけない」とよく耳にする言葉の通りで、だからこそ、幼少期からの義務教育化(命を守る教育)・日本に住む全員が学べる仕組みつくりが必要だと切実に思うのです。
全国には行政が管理する「各種災害体験」ができる施設が沢山あります。小学生の授業の一環でよく見学・体験をしていると思いますが、「災害の恐怖感と危機意識」を持っていない子供達にとっては単なる「楽しい遠足・ゲーム」という認識しかないのではないでしょうか。また、全国各地で行われる「防災訓練」に参加する市民の意識も同様かと思えてしまいます。
■防災の知識・認識を学ぶ仕組みづくり
イメージしやすいのが自動車教習所のビデオ。運転免許を持っている方なら、交通事故の恐ろしさや社会的責任等を伝えるビデオを見たことがあると思いますが、結構衝撃的なビデオで目をそらしてしまう方もいるくらいのインパクトがありますよね・・・。このようなプログラムの防災版を作って学んでもらえると良いと思います。そして、その教訓をいつまでも忘れないように、免許証の更新時のように定期的にふりかえり、その時代に応じた新しい知識・認識を学ぶ・・・このような仕組みが必要だと思っています。
【参考】
東京都では、各家庭において、首都直下地震等の様々な災害に対する備えが万全となるよう、一家に一冊常備され、日常的に活用できる防災ブック「東京防災」を作成し、都内の全家庭宛てに、平成27年9月1日より順次配布を実施しました。
※「東京防災」は、東京の地域特性や都市構造、都民のライフスタイルなどを考慮し、災害に対する事前の備えや発災時の対処法など、今すぐ活用でき、いざというときにも役立つ情報を分かりやすくまとめた、完全東京仕様の防災ブックです。
コチラから閲覧できます。
販売もされております。
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